マーケットストラクチャーとは?BOS・MSS・CHoCHの見方
マーケットストラクチャーとは何か。HH・HL・LH・LLの付け方、BOSとMSS(CHoCH)の違い、internal / swing structure、複数時間足の使い方を実測データ付きで解説します。

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マーケットストラクチャーとは、スイングハイ(山)とスイングロー(谷)の並びのことです。高値と安値が切り上がっていれば強気の構造、切り下がっていれば弱気の構造です。BOS(Break of Structure)は、トレンドの方向に直近のスイングを終値で抜けること、MSS(Market Structure Shift。CHoCHとも呼ばれます)は、トレンドと逆の方向に最初にスイングを終値で抜けることを指します。
構造は、SMC(スマートマネーコンセプト)で最初に引くものです。オーダーブロック、FVG、liquidity sweepは、どれも構造に対して意味を持つからです。プライスアクションそのものでもあり、相場が何をしたかを描く作業で、先を当てる作業ではありません。
スイング:構造の部品
スイングハイは、前後のローソク足より高値が高い山です。スイングローはその逆の谷です。当サイトの検証では、左右3本ずつのうち最高値・最安値をスイングとしています。機械的な定義なので、誰が引いても同じ位置になります。1時間足では数時間続く山と谷が拾えます。5本や10本のように幅を広げると、数は減って、より大きなスイングになります。
直前のスイングと比べて、次のようにラベルを付けます。
| ラベル | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| HH(Higher High) | 直前のスイングハイより高い高値 | 強気 |
| HL(Higher Low) | 直前のスイングローより高い安値 | 強気 |
| LH(Lower High) | 直前のスイングハイより低い高値 | 弱気 |
| LL(Lower Low) | 直前のスイングローより低い安値 | 弱気 |
HHとHLが続けば上昇トレンド、LHとLLが続けば下降トレンドです。どちらでもなければレンジです。レンジとトレンドでは、期待するものが違います。トレンドの考え方はトレンドフォローの解説も参考にしてください。
BOS・MSS・CHoCH

チャートでは、まず高値と安値が切り上がっています。そのあと、直近のHLを終値で割り込むローソク足が出ました。これがMSSで、「切り上がる並びが崩れた」ことを示します。以降は、LH(切り下がる高値)が続き、直前の安値を終値で割るたびにBOSが出ています。BOSは新しい方向が続いていることの確認です。
ルールをまとめます。
- トレンドの方向への崩れはBOS。 下降なら直近の安値を終値で割ること、上昇なら直近の高値を終値で超えることです。
- トレンドと逆への崩れはMSS(CHoCH)。 下降なら直近のLHを終値で超えること、上昇なら直近のHLを終値で割ることです。
- ヒゲではなく終値で判断する。 ヒゲで抜けて終値が戻る動きは、崩れではなくliquidity sweepであることが多いからです。
- BOSは動きが続く保証ではない。 構造がまだ保たれている、というだけの意味です。
用語は標準化されていません。最初の崩れをCHoCH、先に流動性を取った崩れをMSSと区別する教材もあれば、同じ意味で使う教材もあります。一つの意味に決めて、トレードの振り返りでも同じ使い方を続けてください。
internal structureとswing structure
どの動きの中にも、より小さな動きが入っています。swing structure(external structureとも呼ばれます)は、主な動きを作る大きな高値と安値の並びです。internal structureは、1つの動きの内側にある小さな並びで、たとえば上昇の途中の押しなどです。
- internalの崩れは早いが、ノイズが多い。押しが終わっただけのことも多いです。
- swingの崩れは数が少なく、重みがあります。ただし確認が遅いため、SLが遠くなりがちです。
区別のコツは、スイングの幅を2種類決めて色を分けることです。たとえば、internalは左右3本、swingは左右10本とします。弱気のswing structureの中でinternalが強気に転じても、それは下降トレンド内の戻りであって、トレンド転換ではありません。
複数時間足での構造
上位足の構造は、下位足の構造を包んでいます。トップダウンでの一般的な使い方は次のとおりです。
- 日足か4時間足でswing structureを引き、強気・弱気・レンジのどれかを決めます。
- 1時間足で、dealing rangeのdiscount側やオーダーブロックなど、注目する場所まで価格が来るのを待ちます。
- 15分〜1時間足で、上位足の方向へのMSSが出るかを見ます。
時間足がそろうと、筋書きが分かりやすくなります。そろわないとき(4時間足は弱気、15分足は強気など)は、大きな動きの中の戻りを見ていることになります。間違いではありませんが、別の種類のトレードであり、伸びる距離への期待も変わります。初心者がやりがちなのは、崩れていない4時間足のトレンドに逆らう15分足のBOSを、転換と取り違えるパターンです。
構造の崩れは続くのか:実測データ
崩れのあとに値動きが続く割合を測りました。出典:OnForex analysis of hourly prices from Yahoo Finance, January 2024 - October 2026(ゴールドは2024年6月〜2026年10月、COMEX金先物)。スイングは左右3本の最高値・最安値です。
| 崩れた水準を終値で割り込む前に、さらに1 ATR伸びた割合 | EURUSD | GBPUSD | USDJPY | XAUUSD |
|---|---|---|---|---|
| BOS | 67.8% | 62.2% | 60.7% | 63.3% |
| MSS | 67.5% | 61.2% | 62.1% | 63.9% |
崩れの約61〜68%は、元の水準を終値で割る前に、さらに1 ATR(ATRはAverage True Rangeで、ローソク足の平均的な大きさ)伸びました。半分を超えていますが、3分の1以上は伸びていません。また、1時間足の1 ATRは大きな距離ではありません。MSSとBOSの結果はほぼ同じで、このサンプルでは、CHoCHが継続のBOSより信頼できるとも、できないとも言えませんでした。
結論は控えめです。構造の崩れは少し続く傾向があるので、構造を「状況の判断材料」にするのは理にかなっています。しかし、無効になる位置と適切なSLなしに、崩れを入る合図にする根拠にはなりません。同じデータで、ランダムにエントリーして1 ATRのSLを置くと、24時間以内に73〜78%で到達されました。SLには余裕が必要です。置き方は損切り(SL)で解説します。
下落局面で構造を引く手順
上のEURUSDのチャートを例に、手順を示します。
- 直近のスイングハイと、その前にあったスイングローを探します。市場が割れずに守っているスイングローに線を引きます。
- ローソク足が、その線を終値で割るのを待ちます。これがMSSです。ヒゲだけでは印を付けません。
- 戻りで作られた新しいLHに印を付けます。その高値が、弱気の見方が崩れる(無効になる)水準です。
- 直前のスイングローを終値で割るたびに、BOSの印を付けます。
- LHを終値で超えたら、弱気の構造は崩れています。引き直します。
手順1〜5は、ポジションを持たずに完了できます。構造は「描写」です。トレードは、構造に水準・SL・数量を組み合わせて初めて成立します。
よくある失敗
- ヒゲを崩れと数える。 必ず終値を確認します。経済指標の前後はスプレッドが広がり、ヒゲで抜けて戻る動きが増えます。
- スイングが多すぎる。 小さな揺れまで全部スイングにすると、構造が頻繁に入れ替わります。幅を決めて、変えないでください。
- 上位足を見ない。 強い上位足トレンドの中の下位足のMSSは、ただの押しや戻りであることが多いです。
- 後から基準を動かす。 相場が動いたあとに、どのスイングを使うかを決め直すのは後知恵です。次のローソク足が出る前に線を引きます。
- リスクの計画を飛ばす。 構造は「どこで間違いと認めるか」を教えてくれます。それをSLと数量の基準にしてください。1回のリスクとポジションサイジングも参照してください。
次に読むページ
構造が一貫して引けるようになったら、ほかの道具を置いていけます。スイングハイ・ローで起きるliquidity sweep、崩れの直前にあるオーダーブロック、急な崩れが残すFVGです。崩れが出やすい時間帯はICTキルゾーンにまとめています。
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