損切りとは?FXの損切り幅の決め方とロットの計算(ATR・構造)
FXの損切り(ストップロス)の置き場所を、構造・ATR・固定pipsの3方式で比較します。損切り幅とロット数の関係、スリッページ、窓開け、トレーリング、建値も解説します。

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**損切り(ストップロス、stop loss)**とは、あらかじめ決めた価格に達したときにポジションを自動で決済し、1 回のトレードの損失を限定する注文です。置く場所は、トレードの根拠が崩れる価格で、ポジションサイズはその価格までの距離から計算します。このページでは、損切りの 3 つの決め方を比較し、損切り幅がロット数を決める仕組みを説明し、当サイトの実測データで「ランダムな損切りがどのくらい付くか」を示します。
損切りができること、できないこと
損切りには 3 つの役割があります。1 回のトレードで失う金額に上限を付けること、含み損の最中に判断をしなくて済むようにすること、そして1R(1 トレードで取るリスクの大きさ。結果を測る単位)を決めることです。R の考え方はリスクリワード比の解説にあります。
できないのは、決済価格の保証です。損切りは到達すると成行注文になります。急変時は不利な価格で約定すること(スリッページ)があり、週末や重要指標の発表では価格が損切りを飛び越えること(窓開け)もあります。指標発表や市場の始まりではスプレッドも広がります。買いポジションの損切りは売値(Bid)で判定されるため、スプレッドが広がると、チャート上は届いていないのに決済されることもあります。詳しくはスリッページの解説を参照してください。
損切り位置の決め方:3 つの方法
| 方法 | 決め方 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| 構造(ストラクチャー) | スイング高値・安値、またはエントリーしたゾーンの外側 | トレードの根拠と結びつく | 距離がまちまちで、広くなることがある |
| ATR | エントリーから ATR(14) の何倍か | 現在のボラティリティに合う | チャートの構造を無視する |
| 固定 pips | 毎回同じ pips | 単純で一貫している | 通貨ペア・時間帯・ボラティリティを無視する |
**ATR(Average True Range)**は、直近のローソク足の平均的な大きさで、通常は 14 本で計算します。1 時間足の EURUSD で ATR(14) が 10 pips なら、1 本のローソク足は平均して約 10 pips 動いています。
1. 構造による損切り
見立てが崩れるとわかる水準のすぐ外側に置きます。買いならスイング安値の下、売りならスイング高値の上、または、エントリーしたオーダーブロックやフェアバリューギャップの外側です。ノイズとスプレッドのために、0.2 ATR ほどの余裕を足します。目立つ水準の「ちょうど外側」に置くと、先に価格がそこまで来ることが多く、これはリクイディティスイープの動きです。水準ぴったりよりも、少し外側に余裕を持たせるほうが無難です。
2. ATR による損切り
取引する時間足で ATR(14) を測り、その 1.5 倍のように倍数で損切りを置きます。値動きの小さい通貨ペアでは自然に狭く、大きいペアでは広くなります。弱点は、チャート上の意味がない場所に損切りが来ることです。
3. 固定 pips による損切り
どの通貨でも 20 pips、というやり方は覚えやすいですが、EURUSD の静かな時間(UTC 22 時〜4 時)の 20 pips と、USDJPY の値動きが最大になる UTC 13 時の 20 pips は、まったく違う距離です。固定 pips を使うなら、通貨ペアと時間帯ごとに値を分け、ATR と照らして見直してください。値動きが広がる時間帯は取引時間の解説にあります。
どこまで狭いと狭すぎるか:損切りが付く確率の実測
損切りがどのくらいのノイズに耐える必要があるかを知るため、ランダムな時間にランダムな方向でエントリーし、ATR(14) の k 倍の損切りが 24 時間以内に付いたかを調べました。
出典:OnForex が Yahoo Finance の 1 時間足価格(2024年1月〜2026年10月。金は 2024年6月〜2026年10月、COMEX 金先物)を分析。
| 損切り幅 | EURUSD | GBPUSD | USDJPY | XAUUSD |
|---|---|---|---|---|
| 0.5 ATR | 88% | 88% | 86% | 87% |
| 1 ATR | 78% | 77% | 73% | 74% |
| 1.5 ATR | 66% | 66% | 61% | 62% |
| 2 ATR | 56% | 56% | 51% | 52% |
| 3 ATR | 40% | 40% | 34% | 35% |

0.5 ATR の損切りは、24 時間以内に 86%〜88% で付きました。2 ATR でも約半分です。これは損切りが悪いという意味ではなく、数 pips の損切りはトレードの中身と関係なく、ノイズだけで付く可能性が非常に高いという意味です。損切りを狭くして大きなポジションを持つより、損切りを広くして小さなポジションを持つほうが、たいてい良い組み合わせです。
損切り幅がポジションサイズを決める
順番が大切です。先に損切りを決め、そのあとでサイズを計算します。口座資金 1,000 ドル(約15万円)、リスク 1%(10 ドル、約1,500円)、EURUSD の 1 ロット(10 万通貨)あたりのピップス価値を約 10 ドルとして計算します。
| 損切り幅 | ロット数 10 ÷(pips × 10) | 切り捨て |
|---|---|---|
| 7.4 pips | 0.135 | 0.13 ロット |
| 15 pips | 0.067 | 0.06 ロット |
| 30 pips | 0.033 | 0.03 ロット |
損切り幅を 2 倍にしたらポジションは半分になり、金額のリスクはほぼ同じです。サイズを変えずに損切りだけ広げるのはリスク管理ではなく、リスクを増やしているだけです。計算式はポジションサイズ、ロットの解説、ピップス価値を参照してください。
R で考える計算例
実際のチャートに描いたプランです。EURUSD 1 時間足、2026年10月28日 14:00 UTC。強気のオーダーブロックの上端 1.11321 でエントリーします。損切りはブロックの下に 0.2 ATR の余裕を足した 1.11247(7.4 pips 下)。利確は 2R の 1.11469 です。1,000 ドルでリスク 1% なら、サイズは 10 ÷(7.4 × 10)= 0.135 で、切り捨てて 0.13 ロットです。

この例では損切りより先に利確に届きました。1 回のトレードでは何も証明できません。このプランが役に立つのは、エントリー前に損失が 1R(約 10 ドル)、利益が 2R と決まっていたからです。損切りになっていた場合でも、損失は約 10 ドルでした。ただし、窓開けやスリッページのリスクは残ります。
トレーリングと建値(BE)
トレーリングストップは、利益方向に価格が進むのに合わせて、一定の距離で損切りを追わせる方法です。**建値(BE、break even)**への移動は、損切りをエントリー価格に動かすことです。どちらもリスクを減らしますが、そのまま戻って伸びたトレードも切ってしまいます。
- 建値への移動は、エントリーより上に新しい押し安値ができたなど、構造上の理由があってから行う。何 pips 進んだら、という決め方は避ける。
- トレーリングは、スイング安値の下(買いの場合)や ATR の倍数に置き、通常のノイズの外側にする。
- 1R で部分利確して残りを持つ方法もあるが、自分のスタイルに合うかをデモ口座で確認する。
よくある間違い
- ロット数に合わせて損切りを決める。 先に損切りを決めます。
- 損が出てから損切りを遠ざける。 1R の損失がそれ以上になります。損失を限定することが目的です。
- 損切りを頭の中だけで管理する。 急変時には迷います。注文として置いてください。
- 狭い損切りでスプレッドとスリッページを無視する。 5 pips の損切りでスプレッドが 1.5 pips なら、余裕の 3 割をすでに失っています。
- 狭い損切りのまま週末を持ち越す。 窓開けで損切りを飛び越えることがあります。
- 1 回のリスクが大きすぎる。 損切りがあっても連敗は起きます。当サイトのシミュレーション(200 トレード、勝率 45%、利幅 1.5R)では、最長連敗の中央値は 8 トレードでした。1トレードのリスクとドローダウンも参照してください。
関連ページ
損切りは、リスク管理や資金管理の一部です。スキャルピングやデイトレードで短い時間足を使う場合は、スキャルピングとデイトレードで、時間足に合う損切り幅を確認してください。損切りを動かしてしまう心理はトレード心理で扱っています。
重要事項: 本ページに掲載する Exness(運営会社 Nymstar Limited)は、2023年4月21日付で金融庁から無登録業者として警告を受けています。無登録業者との取引では、出金拒否などのトラブルが起きても日本の法令による保護を受けられないおそれがあります。当サイトは紹介リンクから報酬を受け取ることがあります。FXは元本を超える損失が出ることもあり、利益を保証するものではありません。
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リスクについて:FX・CFD 取引は損失リスクが高く、すべての人に適しているわけではありません。損切り注文は決済価格を保証せず、想定より不利な価格で約定することがあります。失ってよい範囲を超える資金は取引に使わないでください。
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