ICTシルバーバレットとは?日本時間・手順と1時間足の検証データ
ICTシルバーバレットの時間(NY10〜11時=日本時間23〜24時/冬は0〜1時)、liquidity sweepとFVGを使う手順、計算例、4市場の1時間足データを解説します。

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ICTシルバーバレットとは、決まった1時間(主にニューヨーク時間の10〜11時)だけを見て、近くの高値か安値を取る liquidity sweep を待ち、反対方向にできた FVG(フェアバリューギャップ) でエントリーし、反対側の流動性を目標にする手法です。日本時間では、米国の夏時間に23〜24時、冬時間に翌0〜1時にあたります。ICT(Inner Circle Trader)の教材から広まった考え方です。
この1時間は、実際に1日の中でも値動きが大きい時間帯です。ただし、その中のセットアップに優位性があるかは別の問題で、当サイトのデータで答えられるのはその一部だけです。この記事では、時間帯の換算、手順、数字を使った計算例を説明し、最後にEURUSD・GBPUSD・USDJPY・ゴールドで、ニューヨーク10時台の1時間が実際にどう動いたかを紹介します。
シルバーバレットの時間(日本時間・UTC)
ICTの教材は、時間をニューヨークの現地時間で決めています。ニューヨークには夏時間があるため、日本時間では季節によって1時間ずれます。よく使われる時間帯は3つです。
| 時間帯 | ニューヨーク時間 | 日本時間(米国夏時間) | 日本時間(米国冬時間) | UTC(夏/冬) |
|---|---|---|---|---|
| ロンドン | 3:00〜4:00 | 16:00〜17:00 | 17:00〜18:00 | 7〜8時/8〜9時 |
| ニューヨーク午前(代表的なもの) | 10:00〜11:00 | 23:00〜24:00 | 翌0:00〜1:00 | 14〜15時/15〜16時 |
| ニューヨーク午後 | 14:00〜15:00 | 翌3:00〜4:00 | 翌4:00〜5:00 | 18〜19時/19〜20時 |
米国の夏時間は、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までです。2026年は11月1日に冬時間に戻ったので、この日から翌年3月までは、ニューヨーク10時が日本時間の深夜0時になります。日本には夏時間がないため、ずれるのはニューヨーク側だけです。
あわせて覚えておきたい時刻もあります。
- ニューヨーク8:00〜9:59(日本時間21:00〜22:59、冬は22:00〜23:59):シルバーバレットの前の時間帯です。この間の高値と安値が、10時台に取られるかどうかを見る基準になります。
- ニューヨーク8:30(日本時間21:30、冬は22:30):米国の雇用統計や消費者物価指数など、主な経済指標の発表時刻です。
- ニューヨーク10:00(日本時間23:00、冬は24:00):ちょうどシルバーバレットの始まりに、一部の米国指標が発表されます。
- ニューヨーク16:00(日本時間翌5:00、冬は翌6:00):当サイトのデータで「その日の終わり」として使った時刻です。
チャートの時刻が、日本時間、UTC、ブローカーのサーバー時間のどれで表示されているかは、必ず確認してください。1時間だけの手法では、1時間ずれるとまったく別の時間帯を見ていることになります。
手法の考え方
シルバーバレットは、SMC/ICT でよく使われる3つの考え方を組み合わせたものです。
- 流動性:わかりやすい高値の上には買いの逆指値(損切りや新規の買い)が集まりやすく、これを buy-side liquidity(BSL) と呼びます。安値の下に集まる売りの逆指値は sell-side liquidity(SSL) です。これらを一時的に取ってから戻る動きが liquidity sweep です。
- 勢いのある動きと FVG:強く速い動きのあとには、3本のローソク足のうち1本目と3本目のヒゲが重ならない隙間ができます。これが FVG で、価格が戻ってきやすい場所として扱われます。FVG の真ん中(50%)は CE(consequent encroachment) と呼ばれます。
- 時間:見る時間を1時間に絞ります。この時間は、ICTキルゾーンのニューヨークの時間帯の中にあり、8:30の指標発表のあと、10:00の発表と重なる位置にあります。
背景にある説明はこうです。ニューヨークの最初の1〜2時間でレンジができ、10時台にその片側の逆指値が取られ、本当の動きはそのあと逆方向に出る、というものです。この説明の一部は、1時間足のデータでも確かめられます。後半で紹介します。
手順
- 10時の前に、流動性のある水準を引く。 ニューヨーク8:00〜9:59の高値と安値、ロンドン時間の高値と安値、前日の高値と安値です。sweep で取られるのはこうした水準です。
- 経済指標を確認する。 8:30や10:00に米国の発表があるかを調べます。発表の前後はスプレッドが広がり、価格が飛ぶことがあります。経済指標カレンダーを参照してください。
- 時間内に sweep を待つ。 引いた水準を価格がいったん超え、戻ってくる動きです。超えただけでは sweep ではありません。戻ることが条件です。
- 逆方向の勢いと FVG を探す。 1〜5分足で、sweep と逆向きの強い動きと、それが残した FVG を確認します。
- FVG への戻りでエントリーする。 CE(FVG の50%)で入る人が多いです。
- 損切りは sweep の先端の外に置く。 スプレッドの分の余裕も足します。
- 目標は反対側の流動性に置く。 たとえば、8:00〜9:59のレンジの反対側です。目標まで 2R ほどの距離がなければ見送る人も多いです。R は、1トレードで失ってよい金額を1とした単位です。
- 11時までに条件がそろわなければ、何もしない。


1時間足では、こうした形は見分けやすいです。1分足では同じような形が1日に何十回も出るため、時間で絞ることに意味があります。時間の条件がなければ、「sweep と FVG」はいつでも見つかってしまいます。
計算例(説明用の数字)
米国冬時間の EURUSD で、ニューヨーク8:00〜9:59(日本時間22:00〜23:59)のレンジが 1.0820〜1.0850 だったとします。
- ニューヨーク10:12(日本時間0:12)、価格がレンジ高値より 6 pips 上の 1.0856 まで上がり、すぐにレンジ内に戻りました。BSL を取る sweep です。
- その下落で、5分足に 1.0849〜1.0843 の弱気の FVG ができました。CE は 1.0846 です。
- 1.0846 に売りの指値、損切りは sweep の高値の 3 pips 上の 1.0859 に置きます。リスクは 13 pips です。
- 目標は、レンジ安値の 1.0820 です。26 pips 先なので 2R です。
ロット数は、口座 1,000 ドルで1回のリスクを 1%(10 ドル)にする場合で計算します。EURUSD の 1 pip の価値は、1 ロット(10 万通貨)で 10 ドルです。10 ÷(13 × 10)= 0.077 ロットなので、切り捨てて 0.07 ロットです。10時の指標発表でスプレッドが 2 pips に広がると、13 pips の損切りの約15%にあたります。損切りが狭い手法ほど、コストの影響を強く受けます。計算の考え方はポジションサイジングとリスクリワードレシオで確認できます。
当サイトのデータ:ニューヨーク10時台は実際にどう動いたか
先に限界を書いておきます。 シルバーバレットは1〜5分足で行う手法です。当サイトのデータは1時間足なので、sweep、FVG、CE での約定、損切り、目標という手法全体は検証できません。測れるのは、その1時間がどう動いたかと、「片側を取ってから反転する」という説明が1時間足の単位で成り立つかです。以下の時刻はすべてニューヨークの現地時間で、夏時間の切り替えも反映しています。
1日の中でも特に動く時間帯

| EURUSD | GBPUSD | USDJPY | XAUUSD | |
|---|---|---|---|---|
| ニューヨーク10時台の平均値幅 | 19.5 pips | 24.2 pips | 34.4 pips | 24.5ドル |
EURUSD の10時台は平均 19.5 pips で、8時台(20.1 pips)、9時台(17.6 pips)と並びます。静かな時間帯は約7〜12 pipsです。グラフのゴールドも同じ傾向で、8〜10時台が最も活発で、11時以降は値幅が下がります。シルバーバレットの時間帯が、実際に値が動く1時間を選んでいるのは確かです。
早い時間のレンジの片側をよく抜ける
| EURUSD | GBPUSD | USDJPY | XAUUSD | |
|---|---|---|---|---|
| 10時台が、8:00〜9:59のレンジのちょうど片側だけを抜けた日 | 70.3% | 73.1% | 67.5% | 68.3% |
| そのうち、16時の終値が10時の始値より反対側で引けた日 | 35.0% | 34.4% | 31.5% | 33.9% |
| 10時台が、8:00〜16:00の高値または安値を付けた日 | 31.6% | 28.6% | 26.2% | 29.9% |
出典:OnForex analysis of hourly prices from Yahoo Finance, January 2024 - October 2026(ゴールドは2024年6月〜2026年10月、COMEX金先物)。
読み方は次のとおりです。
- 片側を取る動きはよくある。 10日のうち約7日、10時台は8:00〜9:59のレンジのちょうど片側を抜けました。2時間のレンジのあとに値幅の大きい1時間が来れば、自然にこうなります。これだけでは特別なことは言えません。
- 反転は少数派。 片側を抜けた日のうち、その日の16時に10時の始値より反対側で引けたのは31〜35%でした。残りの約3分の2の日は、抜けた側で引けています。1時間足の単位では、10時台のブレイクは「逆指値を狩ってから反転」よりも、そのまま続くことのほうが多かったということです。
- その日の高値・安値を付ける割合は、少し多い程度。 8:00〜16:00には8本の1時間足があります。どの1時間を選んでも、高値か安値を付ける割合はおよそ4回に1回になります。10時台は26〜32%で、それより少し多いですが、大きな差ではありません。
まとめると、シルバーバレットの時間帯は、値が動くため注意を集める場所としては理にかなっています。しかし「早い時間の高値を取ったから反転する」というだけではシグナルになりません。優位性があるとすれば、どの sweep を認めるか、どの FVG を使うか、どこを目標にするかといった短い時間足の細かい条件の中にあるはずで、それは自分で検証する必要があります。当サイトの1時間足のスイングで見た liquidity sweep のデータも同じ傾向で、12時間後に反転側にあったのは50〜55%でした。
日本から取り組むときの注意
- 深夜の取引になる。 冬時間では日本時間の0〜1時です。睡眠を削って毎日続けると、判断の質が落ちます。週に何日やるかを決めておくのも一つの方法です。トレード心理も参考にしてください。
- 損切りが狭いほどコストが重い。 10 pips の損切りでスプレッドが 1 pip なら、リスクの10%を最初に払うことになります。スプレッドは、静かな時間ではなく、ニューヨーク10時ごろの実際の値で確認してください。
- 10時の指標に注意する。 発表直後の数分には、ニュースによる急な動きがそのまま sweep のように見えることがあります。発表のある日は見送る人もいます。
- 逆指値のスリッページ。 動きが速いと、損切りが指定した価格より不利な価格で約定し、1R のつもりの損失が大きくなることがあります。詳しくはスリッページを参照してください。
- 形がなかった日も記録する。 何もしなかった日も含めて記録すれば、自分のやり方が「取引しないこと」より良いかを比べられます。バックテストの進め方も参考にしてください。
よくある失敗
- 時計を間違える。 UTCやサーバー時間を使っていて、夏時間の切り替えを忘れるケースです。11月と3月は特に注意します。
- どんなヒゲも sweep と呼ぶ。 水準の内側に戻ることが条件です。水準も、ほかのトレーダーから見てわかりやすい高値・安値であるべきです。
- sweep の瞬間に飛び乗る。 逆方向の勢いや FVG で反転が見える前に入ってしまうケースです。
- 損切りをノイズの中に置く。 sweep の先端ではなく FVG のすぐ外に置くと、1分足の普通の動きで損切りになります。
- 時間を延ばす。 「ほぼ同じだから」と11時20分に入ると、時間のルールがなくなります。
- 反転を前提にする。 当サイトのデータでは、片側を取ったあとに反対側で引けたのは約3分の1でした。
関連する記事
SMC(スマートマネーコンセプト)、マーケットストラクチャー、オーダーブロック、パワーオブスリー、ロンドンブレイクアウト、スキャルピング、デイトレード、取引時間、損切り。
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