プレミアム・ディスカウントとは?ディーリングレンジとOTEの使い方
ICTのプレミアム・ディスカウントの意味、ディーリングレンジの引き方、50%のイクイリブリアム、OTE(62%・70.5%・79%)の使い方を、数値例と実測データで解説します。

当サイトにはアフィリエイトリンクが含まれています。リンク経由で口座開設された場合、当サイトが報酬を受け取ることがあります。 編集方針・調べ方
**プレミアム・ディスカウント(premium and discount)とは、値幅を中間点で上下に分けて、上半分を割高(プレミアム)、下半分を割安(ディスカウント)と見る考え方です。中間点はイクイリブリアム(equilibrium)**と呼びます。ICT や SMC(スマートマネーコンセプト)では、買いはディスカウント、売りはプレミアムで探し、レンジの上端で買ったり下端で売ったりするのを避けます。ここでは、基準にするレンジの決め方、OTE の使い方、計算例、そして当サイトの実測データを紹介します。
ディーリングレンジの決め方
**ディーリングレンジ(dealing range)**は、直近の重要なスイング安値とスイング高値の間の値幅で、分析の枠として選ぶ範囲です。上昇トレンドなら、構造を更新(BOS)した起点のスイング安値から、その後に付けた高値まで。下降トレンドなら、スイング高値から安値までです。
このレンジの選び方がすべてです。小さすぎればノイズになり、大きすぎればあらゆる押しが「ディスカウント」に見えます。最新の BOS(break of structure)や MSS(market structure shift)を作ったスイングから始めてください。印の付け方はマーケットストラクチャーの解説にあります。

イクイリブリアム、プレミアム、ディスカウント
レンジが決まったら、次のように分けます。
- イクイリブリアム(EQ):レンジの 50%、中間点。「公正な中間」と見ます。
- プレミアム:50% より上の領域。
- ディスカウント:50% より下の領域。
位置の考え方です。200 pips のレンジの 90% の位置で買うと、天井に近いため、損切りまでが遠く、利確の余地が小さくなります。30% の位置で買えば逆になります。この有利な形を意識するための見方です。
OTE:62%・70.5%・79%
**OTE(Optimal Trade Entry)**は、押し(戻し)の深い側の帯で、スイングの 62%〜79% 戻した範囲を指します。中間が 70.5% です。フィボナッチをもとにした慣習で、62% は 61.8% を、79% は 78.6% を丸めたものです。ツールの使い方と水準はフィボナッチの解説を参照してください。
| 水準 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| 0% | スイングの起点 | 基準点 |
| 50% | イクイリブリアム | プレミアムとディスカウントの境目 |
| 62% | OTE の上端 | 帯の始まり |
| 70.5% | OTE の中間 | 目安として使われる |
| 79% | OTE の下端 | 帯の終わり |
| 100% | スイングの終点 | 終値で超えたら見立てが崩れる |

チャートでは、金が OTE 帯まで押しています。ただし 1 つの例はルールの根拠になりません。後半で実測データを示し、過信しないようにします。
計算例(説明用の数値)
EURUSD が安値 1.1000 から高値 1.1200 まで上昇したとします。レンジは 200 pips です。
- イクイリブリアム:1.1100
- プレミアム:1.1100〜1.1200
- ディスカウント:1.1000〜1.1100
- 高値から測った押し目買いの OTE:62% = 1.1200 − 0.0124 = 1.1076、70.5% = 1.1200 − 0.0141 = 1.1059、79% = 1.1200 − 0.0158 = 1.1042
トレーダーは、価格が 1.1042〜1.1076 まで押すのを待ちます。そのうえで、下位足の BOS、オーダーブロック、フェアバリューギャップなどが帯の中にあるかを確認します。損切りはスイング安値 1.1000 の下(または、エントリーの根拠になった構造の下)に置き、利確の目標はスイング高値 1.1200 とします。エントリー 1.1059、損切り 1.0990 なら、リスクは 69 pips、リワードは 141 pips で、約 2R です(R は 1 トレードで取るリスクの大きさ)。
口座資金 1,000 ドル(約15万円)でリスク 1%(10 ドル)、1 ロットあたり約 10 ドルとすると、ポジションサイズは 10 ÷(69 × 10)= 0.014 ロットです。ロットは 0.01 刻みなので、切り捨てて 0.01 ロットとなり、リスクは約 6.9 ドルで、予算の 1% よりやや小さくなります。数値は計算の説明用であり、売買の推奨ではありません。ポジションサイズとリスクリワード比も参照してください。
使い方の手順
- 上位足でトレンドと、構造を更新したスイングを確認する。
- そのスイングの始点から終点にフィボナッチを引く。
- イクイリブリアム(50%)と OTE の帯(62〜79%)を確認する。
- 買いならディスカウント、売りならプレミアムまで価格が戻るのを待つ。戻らなければ見送る。追いかけないことが、この考え方の目的です。
- 下位足で、リクイディティスイープ、BOS、オーダーブロック、FVG などを確認する。
- 損切りをスイングの外側に置き、その距離からポジションサイズを決める。目標は 1.5R〜2R 以上先にする。損切りの置き方を参照。
当サイトの実測データ
出典:OnForex が Yahoo Finance の 1 時間足価格(2024年1月〜2026年10月。金は 2024年6月〜2026年10月、COMEX 金先物)を分析。
プレミアム・ディスカウントでのエントリーそのものは検証していないため、OTE の勝率は示しません。代わりに、帯の中でよく使われるパターンを測りました。
- フェアバリューギャップ(FVG):24 時間以内にギャップの 50%(CE)まで価格が到達した割合は、4 市場で 72.7%〜75.8%。
- オーダーブロック:タッチ後に守られた割合は 47.7%〜53.1%。コイン投げに近い水準。
- リクイディティスイープ:12 時間後に反転側にいた割合は 50.2%〜55.1%。
結論として、これらは「見る場所」であり、どれも損切りを不要にはしません。プレミアム・ディスカウントはレンジのどこで動くかを選ぶ助けになりますが、価格の予測ではありません。
よくある間違い
- 間違ったスイングからレンジを引く。 起点が違えば水準も変わります。構造を更新したスイングを使います。
- 70.5% をぴったりの価格だと考える。 帯の中間にすぎません。手前で反転することも、超えることもあります。
- 下降トレンドでディスカウントだから買う。 下降レンジの割安は、トレンドに逆らう買いの理由になりません。
- 損切りを置かない。 100% を終値で超えると、そのレンジの見立ては崩れます。
- コストを無視する。 指標発表や市場の始まりでスプレッドが広がり、損切りがスリッページで約定することもあります。
- 小さすぎるレンジで使う。 損切り幅が数 pips だと、スプレッドがリスクの大きな割合を占めます。
関連ページ
プレミアム・ディスカウントは、スマートマネーコンセプトの道具の 1 つで、ブレイカーブロックやICT キルゾーンと組み合わせて使われます。一般的な水準の見方はサポート・レジスタンス、上の金の例は金(ゴールド)トレードを参照してください。
重要事項: 本ページに掲載する Exness(運営会社 Nymstar Limited)は、2023年4月21日付で金融庁から無登録業者として警告を受けています。無登録業者との取引では、出金拒否などのトラブルが起きても日本の法令による保護を受けられないおそれがあります。当サイトは紹介リンクから報酬を受け取ることがあります。FXは元本を超える損失が出ることもあり、利益を保証するものではありません。
Exness の公式情報
口座の種類・取引条件・提供地域は、Exness 公式サイトで確認できます。
Exness 公式サイトを見るFX・CFD取引には高いリスクがあり、投資元本を失う可能性があります。
Exness(運営会社 Nymstar Limited)は日本の金融商品取引業の登録を受けておらず、2023年4月21日付で金融庁から警告を受けています。出金拒否などのトラブルが起きても、日本の法令による保護を受けられないおそれがあります。
リスクについて:FX・CFD 取引は損失リスクが高く、すべての人に適しているわけではありません。戻りの水準で価格が反転する保証はなく、過去のデータは将来の結果を示しません。失ってよい範囲を超える資金は取引に使わないでください。
関連記事

ブレイカーブロックとは?OB・ミティゲーションとの違い
ブレイカーブロックの意味、失敗したオーダーブロックから生まれる仕組み、OBやミティゲーションブロックとの違い、引き方、注意点を解説。独自データでOBの失敗率も紹介します。

SMC(スマートマネーコンセプト)とは?ICT用語と実測データ
SMC(スマートマネーコンセプト)とは何か、BOS・オーダーブロック・FVGなどICT用語の意味、トップダウンの見方、4市場の実測データから分かった限界までを解説します。

パワーオブスリー(AMD)とは?ICTの3段階とジューダススイング
パワーオブスリー(AMD)を解説。アキュムレーション・マニピュレーション・ディストリビューションの3段階、ジューダススイング、デイリーオープンを、UTC・日本時間の時刻と独自データで確認します。

オーダーブロック(OB)とは?引き方・見分け方・検証結果
オーダーブロック(OB)の意味、強気・弱気OBの引き方、ミティゲーション、有効なOBと弱いOB、需給ゾーンとの違いを解説。独自データでOBが機能した割合も公開します。

ICTシルバーバレットとは?日本時間・手順と1時間足の検証データ
ICTシルバーバレットの時間(NY10〜11時=日本時間23〜24時/冬は0〜1時)、liquidity sweepとFVGを使う手順、計算例、4市場の1時間足データを解説します。

リクイディティスイープとは?BSL・SSLとストップ狩りの違い、実測統計
リクイディティスイープ(流動性の掃き取り)の意味、買い側・売り側流動性(BSL・SSL)、ブレイクアウトやストップ狩りとの違いを、4市場1,294回の実測データとともに解説します。